2020.02.17

”大企業の会計の特徴”と”中小零細企業の会計の特徴”から考える経営戦略‼

会社の財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)は、ほぼ同じ形になっています。なぜなら、財務諸表の形は、企業会計原則で決められているからです。ただし、大企業と中小零細企業に大きな特徴が出てきます。それを理解すると、中小零細企業が絶対にしてはいけない経営戦略が見えきます。

①利益の種類と利益改善の質

■売上-売上原価(仕入など)=売上総利益(粗利益)

■粗利益-販売費及び一般管理費(人件費、家賃、消耗品など)=営業利益

■営業利益+営業外収益(預金の利息や株式の配当など)-営業外費用(借入の利息など)=経常利益

■経常利益+-特別な損益(固定資産のの売却損益など)=純利益

利益を改善するためには、下から改善していけばいいのですが、実は上にいけばいくほど中小零細企業のすべきことが見えてきます。経常利益を増やすためには、銀行同士を競合させて利率の低い借入に借り換えること。営業利益を増やすためには、人件費などの固定費を下げること、いわゆるリストラと呼ばれるものですね。リストラは、現在従業員を切るという悪い意味で使われていますが、本来は再構築というのが本来の意味で、決して悪いことではないのですが・・・。

売上総利益(粗利)を増やすためには、大量仕入れや材料の質を落として原価の額(率)を落とすこと。もう一つが、商品の量を売ることになります。

②中小零細企業にできる利益改善の策

さて、上記の利益改善を中小零細企業にできますか⁉利率の低い借入に借り換えと言われても、中小零細企業ではできてもせいぜい0.1%~0.2%くらい借入利率が下がるくらいでしょう。そこに係る手数料や時間の方が貴重です。人件費や家賃などの額を下げるといっても中小零細企業にできますか⁉中小零細企業は人員もギリギリですし、経理なども社長が兼任している場合が多いのではないでしょうか⁉

中小零細企業にとって、大量仕入れはタブーです。小さな会社ほど過剰在庫を持たないことが鉄則です。材料や仕入の質を落とすのもタブーです。特に客層が女性の場合、商品の質の変化には敏感に反応します。

では、中小零細企業は何ができるのか・・・。

③大企業の財務の特徴と弱み

大企業は、大量生産・大量販売をすることによって、『仕入れなどの原価』が低くなります。ただし、人件費や家賃などの『固定費』が高くなっています。大企業では経理の規定などが多く複雑なため、専門の知識をもった経理のプロが必要ですし、販売地域を広いため全国に多数の拠点や営業マンも必要になり、必然的に人件費などの固定費が高くなります。つまり大企業の弱みは以下です。

■大企業は、人口の多い大都市や全国展開しなければ、利益が出ない。なぜなら営業利益(粗利益)で高い『固定費』を賄わないといけないから。

■大企業は、販売商品の品切れを起こさないように在庫を常にもっておく必要がある。

■大企業は、大量生産できる商品を作り、大量販売をしなければ利益がでない。

■大企業は、大都市や全国展開をしていくから、競争相手も多く価格競争になりやすい。

④中小零細企業の財務の特徴と強み

中小零細企業は、少量生産・少量販売のため、『仕入れなどの原価』は高くなります。しかし、同時に人件費や家賃などの『固定費』は、大企業に比べ低くなります。もっと正確にいうと、営業や販売に直接係る以外の費用は極力抑えるべきです。中小零細企業の重装備は会社の資金繰りを圧迫して倒産の危機を招きます。つまり中小零細企業の強みは以下です。

■中小零細企業は、人口の少ない場所で販売しても利益が出る。なぜなら『固定費』が低いため。

■中小零細企業は、不良在庫が出ないように、極力在庫を持たない。過剰在庫は中小零細企業ではタブー。

■中小零細企業は、販売範囲を広げなくても、特定の顧客をファンにでき、利益が出る。

■中小零細企業は、大企業が扱わないサービスを付加すれば、販売価格を上げても売れるから、価格競争に巻き込まれない。巻き込まれてはならない。

実は、大企業は薄利多売で商売はしていません。大量仕入れにより原価を極力下げることによって高い利益率が出ています。ユニクロはあれだけ価格が安くても、37%~38%程度の原価率になっています。中小零細企業があの価格帯で販売したとき、37%~38%の原価率は絶対に無理です。50%は超えてくるでしょう。

だから、中小零細企業にとって最も尊とくて、価値のある利益改善は、客層の狙いを定め、販売地域を絞り、商品にサービスを付加して販売価格を上げることです‼