2020.03.16

資金繰りに困ったときの緊急対応策

今、コロナショックで世界経済に大打撃を受ける中、日本の中小企業の多くが売上に多大な影響が出ています。そんな中で、コロナウィルスの経済対策で、政府より雇用調整助成金の拡充や日本政策金融公庫より実質無利子・無担保融資の対策が打ち出されています。

そんな中で、本当に資金繰りに困ったときの支払い順位を間違わないようにしてください‼経営者は、金融機関の返済を優先しがちです。借りたものは絶対に返さなくては・・・と。これは大間違いです。もし、資金繰りが詰まったときの支払いの優先順位をお伝えします‼

優先順位1位 手形、小切手の支払い

手形の支払いは、何よりも優先しなければなりません。手形の支払いが滞れば不渡りになります。次2度目の不渡りになれば、『銀行取引停止』になります。つまり、事実上の倒産です‼本来は、自社の支払手形の発行はしないことにこしたことがないのですが、もし手形の支払いが不足しそうになった時、取引先に分割払いにをお願いするなどの対策をとる必要があります。

優先順位2位 社員への給与の支払い

従業員への給与のは遅れてはいけません。従業員がいなくなれば会社を存続することが難しくなります。なにより、従業員には家族がいます。従業員の家族からNGを出された会社に未来はないでしょう。ただし、社長の役員報酬は優先順位の最後です。厳しいようですが、社長の役員報酬=会社の業績だと考えてください。会社の業績が良いときは報酬を上げることができますが、会社の業績が悪いときは報酬をとれなくなるのはやむを得ないです。しかし、そのように誠実に従業員に接する経営者は、同時に従業員からの人望も生まれるでしょう。

優先順位3位 仕入、外注先などの取引先への支払い

会社を経営するうえで、仕入れなどは必ずあるでしょう。この支払いは優先順位が高いです。もし支払いを滞らせれば、取引先も困りますし。連鎖倒産ということにもなりかねません。倒産という事態にならなくても、取引を中止されれば経営を継続していくことが困難になります。もし分割が可能な取引先があれば協力を得ることも大事です。

優先順位4位 必要経費の支払い

家賃や光熱費、通信費などの事業を運営していくうえで欠かせない経費です。家賃が滞納すれば立ち退きを要求される可能性がありますし、電話や電気が止められては事業を継続できません。支払い順位が優先されると同時に、家賃を抑える、節約できる経費の見直しを行う必要もあります。

優先順位5位 社会保険料

社会保険料の支払いは公的機関なので、つい支払いの優先順位を上げてしまいがちです。しかし上記よりは支払い順位が低いです。しかし、支払いの督促を無視してしまうと会社の預金通帳の差し押さえなどされていまいます。社会保険料の支払いが困難になったときは、すぐに管轄の年金事務所へ相談へ行き分納などの交渉をしましょう。

優先順位6位 法人税などの税金

税金を滞納したからといって、悪質でなければすぐに資産などを差し押さえされることはありません。ただし、納期限が遅れると、年8.6%と高い利率で延滞税をかけられてしましいます。しかし、税務署などへ誠実に相談に行けば、延滞税も年1.6%に減額してもらえます。なぜ、金融機関への返済より優先されるのかは、税金の滞納があれば金融機関の借入が非常に難しくなるからです。

優先順位7位 金融機関への返済

金融機関への返済は最も優先しがちなのですが、上記に比べ優先順位は低いです。もし資金繰りが困難になった場合、まずは金融機関へ相談に行き、リスケジュールなどの対策をしましょう。昔は、リスケジュールをすると借入ができないというイメージがありましたが、現在は違います。リスケジュールしても経営が安定すれば金融機関からの融資は可能です‼

本来、このような状況にならないように事業計画書と、同時に資金繰りの予定表などで、会社の資金がショートしないようにすることが大切です。しかし、今起こっているコロナショックや過去のリーマンショックなどコントロールできない経済状況の悪化により、会社の資金繰りが悪化することもあるでしょう。その時に、支払いの優先順位を決して間違わないようにしてください‼